習慣的な鼾(いびき)は男性で20%、女性でも10%に認められます。
鼾は狭搾した気道に空気が流れる際に生じますが、この狭搾が睡眠時の低換気を引き起こす原因となります。
睡眠中に高度な低換気が繰り返される場合は、睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)と診断されるのですがこれは男性の4%、女性の2%に認められ、決して稀な疾患ではありません。
近年の研究により睡眠時無呼吸症候群は高血圧・不整脈・狭心症・心筋梗塞・心不全・脳卒中・頭痛・うつ・性格の変化・逆流性食道炎との関与も指摘され、また交通事故の頻度も健常人の10倍になるとの報告もあり放置することなく積極的な治療が望まれます。

A睡眠時無呼吸症候群の検査

当院では耳鼻咽喉科的に気道狭窄の原因となる疾患、例えばアレルギー性鼻炎・鼻中隔彎曲症・口蓋扁桃肥大等が無いかを診察し更に携帯型の機器(アプノモニター)を使用した睡眠時の無呼吸・低呼吸の有無を計測して治療方針を提案いたします。
アプノモニター検査では機器を貸し出し自宅で睡眠時に2日間装着して頂き、結果を解析します。
入院の必要もなく簡単でかつ苦痛の無い検査ですので鼾・無呼吸のある方は是非検査を受けることをお勧め致します。

B睡眠時無呼吸症候群の治療について

睡眠時無呼吸症候群が診断された場合、当院では生活指導・nastent(ナステント)の処方指示書発行・手術加療の御提案の他、中等症には終夜睡眠ポリグラフィー(PSG:Polysomnography)での検査へご案内、重度な場合は保険適応でC-PAP(Continuous Positive Airway Pressure:持続式陽圧呼吸療法)を導入し加療を行うことが可能です。
他院でC-PAP導入中の方についても転居に伴い通院が困難となった場合、フリップス・帝人・フクダ電子・日本メガケア・小池メディカルの機器ならば前医よりの紹介状を持参頂ければ機種変更無く使い慣れた機器のまま当院にて継続加療を行わせて頂いております。